絶好調の半導体業界に意外な不安要素が浮上している。

半導体デバイスの土台となる「シリコンウエハ」の不足だ。部材メーカー幹部は「半導体メーカーは顧客の要求に応えるのに必死。ウエハの確保に特に焦りを感じている」と打ち明ける。

データセンター向けの旺盛な需要に牽引され、フラッシュメモリ半導体は「どれだけ造っても足りない状態」(半導体商社幹部)。最大手の韓国サムスン電子は数兆円規模の増産投資を行い、製造装置業界などにも恩恵が及んでいる。

業界団体のSEMIによれば、シリコンウエハの出荷量は5四半期連続で過去最高を更新中。メーカーはフル稼働状態だが、それでも、顧客である半導体メーカーの要求を満たすだけの量を供給できていない。

増産に踏み切ったが…

強烈な需要を前に、ウエハ大手のSUMCOも重い腰を上げた。

顧客の生産量が増えたことで久々の値上げが実現。加えて今年「かなりの量を長期契約できた」(瀧井道治社長)ため、10年ぶりの増産投資に踏み切った。436億円を投じて主力の伊万里工場の生産能力を月産11万枚分増やす。

ただし、SUMCOは一気に大規模な増産はせず、需要に応じて不足分を少しずつ増産する方針。前提となる需要予測も保守的だ。