東芝、日本郵政、ソニー……。この1年間、大手企業で1000億円規模ののれんの減損が次々に明らかとなった。

「のれん」とは、ある企業を企業価値を超える価格で買収する際に発生する、ブランドなどプレミアム部分のこと。貸借対照表(BS)の資産の部に計上される。

日本の会計基準では、のれんは最大20年間で定期的に償却していくが、業績悪化などにより価値を著しく毀損した場合、「減損」という損失処理を行い、帳簿価額(簿価)を時価の企業価値まで引き下げなければならない。

日本郵政が豪州の物流大手トール社の買収計画を発表したのは2015年2月。民営化のため、政府による郵政株の売り出しと上場を間近に控える中、投資家に魅力的な成長戦略を用意する必要があった。15年5月に6200億円でトールを買収。買収額の8割に相当するのれんを5048億円計上した。

しかし、買収直後に原油や鉄鉱石の市況が急落。豪州経済が低迷し、トール社の業績も急悪化した。買収経験に乏しい日本郵政は同社の経営のグリップを握れず、営業利益はその後も右肩下がりに。日本郵政は17年3月期に4003億円の減損処理を迫られた。