2016年度、過去最高の販売台数を記録した日野自動車。6月に就任した下義生社長は大型バス開発や北米向けトラックなど、多くの事業を手掛け、1年間トヨタ自動車常務として他社との提携に携わった。今後の成長戦略と業界の課題を聞いた。

しも・よしお●1959年生まれ。81年早稲田大学理工学部卒業後、日野自動車入社。海外企画部長、専務役員を歴任し、トヨタ自動車の常務役員を経て2017年6月から現職。(撮影:梅谷秀司)

──16年ぶりの生え抜き社長だ。

日野ブランドの独立性が尊重されるなら、(親会社の)トヨタから来ても生え抜きでも違いはないと思うが、社員のモチベーションは上がっているのではないか。

──トヨタで学んだことは?

人づくりだ。社員同士が向き合い、成長し、強い仲間意識があった。日野でも社員が同じ方向を向くことの重要性を話している。トヨタの豊田章男社長からは「少数意見でも、正しいと思えば選択しなければならない」という重い言葉をもらった。トップの決断と責任の重さを感じている。

──国内市場の動向は?

2トン車を中心に小型トラックのシェアが拡大している。「ヒノノニトン」のCMも一役買っているはずだ。小型トラックは個人事業主の顧客が多く、営業が難しい。ただ、品質には定評があるので地道に進めていく。

──近年は日本、東南アジアに加え、北米にも力を入れている。

16年前の生え抜き社長である湯浅浩氏は「グローバルで戦うには先進国市場での強化が欠かせない」と北米事業を進めた。私は特別仕様の中型トラック開発を任されたことがある。

現在でも、北米は移民が多く人口の増加する成長市場だ。われわれが手掛ける中・小型は主流の大型トレーラーに比べて狭い市場だが需要が安定している。(ネット通販拡大で配達が増える)都市部でも商機がある。複数ブランドを扱うディーラーに専売拠点を作ってもらうなど、販路を広げていく。