先月下旬の報道に、韓国の慰安婦財団理事長が辞意を表明し、財団は活動終了へ向かった、とあった。最近では、ソウルに徴用工像が設置され、文在寅(ムンジェイン)大統領も元徴用工の賠償請求を支持している。

かねて予想がついていた蒸し返しかもしれない。それでも、もううんざりというのが日本人一般の所感であろう。もちろん相手にとっては、そうではない。

韓国の社会では、約束を守らない、破ってみせられる立場こそ地位が高く、尊敬を受ける。そういう観察もあって、これを聞いた当初、やや極端ではないかと思っていた。けれどもここまでくると、一理ありそうに映る。

約束を守らない立場とは

「合意」の無視・反故・破棄というのは、日本に対する韓国の定番的行為となった。そんな「反日」パフォーマンスは、日本が加害者だからだという意見もある。日本は韓国を侵略、植民地化し、苦痛を与えた、あるいはその事実を誠実に直視してこなかったことなどによるというわけで、それならいささか歴史的なみかたになる。

しかしあらためて、同じ歴史的な観点からみなおすと、それもややおかしい。植民地化した日本に対する「反日」に劣らず、韓国では「反米」もごく一般的な感情だからである。朝鮮半島を侵略したり、植民地化したりした過去が米国にあるわけではない。「反日」はともかく、「反米」はそのロジック、理由づけでは理解できないのである。

たとえばTHAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)の配備がある。やはり韓国政府が米国との間で合意したことだが、その約束・合意を守っていない。日本のケースとまったく同じである。