民法改正はIT業界にどのような影響をもたらすだろうか。特に影響の大きいシステム開発を中心に見ていこう。

システム開発の委託契約は、請負契約の場合と準委任契約の場合がある。請負契約は、成果(納品物)と納期が確定している契約である。準委任契約とは、当事者の一方が、特定の行為をすることを委託する契約で、仕事や物の完成は約束されていない。システムの保守やシステム開発の上流工程は、法的には準委任契約の場合が多い。準委任契約には、民法の委任の規定が適用される。

いちばん重要なのは、請負の規定のうち瑕疵(かし)担保責任の規定の改正であろう。瑕疵担保責任が契約内容不適合の責任となる。この世界では100%完全なものが納品されることはまずありえず、何らかの不良が付きものだからだ。

改正法によれば、「目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるとき」が「契約内容不適合」である。「当事者の合意、契約の趣旨および性質」に照らして給付されたものが適合しない場合を含み、取引通念や契約締結に至る経緯などを考慮して総合的に判断されることになる。

瑕疵担保責任であっても、契約において予定された品質が欠ければ瑕疵とされていたが、実務上は、従前以上に、「当事者の合意、契約の趣旨および性質」が重視されるようになるのではなかろうか。したがって、目的やシステム開発(契約)に至る経緯をユーザーとシステム開発会社とで共有し、それを契約書その他の書面にきっちり書いておくことが求められる。