改正民法では「瑕疵(かし)担保責任」という表現がなくなる。現在の民法では売買の目的物に「隠れた瑕疵」がある場合の売り主の責任(瑕疵担保責任)が規定されている。改正後は、売買の目的物が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しない「契約不適合」があった場合の売り主の責任が規定される。

Q. そもそも「瑕疵」や 「瑕疵担保責任」とは何ですか

現在の民法では、瑕疵担保責任の表現はあるが、「瑕疵とは何なのか」ということは記載されていない。具体的には、「売買の目的物が通常有すべき性質・性能を備えていないこと」が瑕疵である。たとえば、中古車は走るという性能を備えていなければいけない。何かの不具合があってうまく走らないと、「通常有すべき性質・性能を備えていない」ので、売り主は瑕疵担保責任を負う。

イラスト:シライカズアキ

居住用の建物なら、売買するに当たって雨漏りしないという性質を備えているということが、売り主と買い主の間で共通の認識だ。だから、雨漏りがあれば、通常有すべき性質・性能を備えていないので、売り主は責任を負う。

当事者間で通常有すべき性質・性能の明示的な合意があれば、その合意から外れたものが瑕疵である。でもそれだけではなく、「契約の趣旨」「社会通念」といった黙示的な合意も含めての合意から外れたものが瑕疵となる。それでもその概念は少しわかりにくい。

改正民法では、瑕疵があったときの責任ではなく、売買契約の内容に適合しないものを売り主が引き渡してしまったら、売り主が責任を取る、「契約不適合責任」に変わる。