首都圏でカラオケルーム62店舗を運営する鉄人化計画。業績悪化が顕著だ

首都圏で「カラオケの鉄人」を運営する、鉄人化計画が揺れている。

創業者の日野洋一氏がこの6月、筆頭株主の資産管理会社を通じて、臨時株主総会の招集を請求。日野氏は「独断的職務遂行の取締役の解任と当社のための当社生え抜きの社員による経営への回帰」を理由に、堀健一郎社長の解任と取締役4名の選任を迫った。

結果、堀氏は6月末で社長を退任。8月3日に開催された臨時総会では日野氏側の推薦した取締役4名が94%の賛成で承認された。

ただ、同日の取締役会は当初社長候補とされていた生え抜き社員ではなく、「ガバナンスの一層の強化」を理由に日野氏の資産管理会社役員の岡崎太輔氏を新社長に選定。日野氏側が完全に経営権を掌握した形だ。

2013年に社長に就任した堀氏はコンテンツ配信事業に乗り出す一方、カラオケ事業への投資を抑制し財務健全化を目指したが、業績は急落。2期連続で最終赤字となる公算が高い。日野氏は取材に対し、「(社長を譲って)3期経って業績が持ち上がらないのであれば、経営陣が代わるというのが普通だが、そういうことはなかった」と話す。

鉄人化計画ほど激烈ではないが、今年に入って保育園運営最大手JPホールディングス(HD)でも対立が表面化している。6月の定時株主総会で大株主が提案した取締役の任期短縮や監査役の人事に創業者・山口洋氏らが同調。わずか数%㌽の僅差で否決され、経営陣はメンツを保った。

背景には経営陣が進める多角化路線に対し「山口氏は保育事業への集中こそ成長の源泉と考え、経営方針の違いがある」(複数の関係者)とされ、今後対立が先鋭化する可能性もある。