旭化成の素材・材料技術を駆使したAKXY号。自動車業界の展示会でも注目を集めた

「AKXY(アクシー)号の反響は期待した以上。5月に公開して以降、国内外の自動車関連メーカーから多くの問い合わせ、相談が寄せられている」。そう話すのは、旭化成の宇高道尊・オートモーティブ事業推進室長だ。

AKXY号は、旭化成がEV(電気自動車)ベンチャーのGLM(京都市)の協力を得て製作した次世代EVのコンセプトカー。軽量化につながる高機能樹脂や、低燃費タイヤの特殊合成ゴム、快適性に優れたシート素材など27カ所に旭化成の技術を使用。製作には数億円の費用を要した。

旭化成は今年度からの中期計画で、自動車用途を最重点分野に設定。コンセプトカーを“走るショールーム”として最大限に活用し、直近で約1000億円の関連売上高(電池材料除く)を2025年までに3倍へと増やす目標を掲げる。

4月に三菱ケミカルホールディングス傘下の3社(三菱化学、三菱レイヨン、三菱樹脂)が合併して発足した三菱ケミカル。国内断トツ規模の総合化学メーカーになった同社が注力するのも、自動車用途だ。

軽さと強度に優れた炭素繊維やガラス繊維複合材、内外装用の樹脂系材料、電池材料など、同社が手掛ける自動車用の素材・材料は幅広い。昨年度の関連売上高は約3000億円で、越智仁社長は「自動車は将来が非常に楽しみな分野。25年までに売り上げを倍増させたい」と期待を寄せる。

有力な化学・繊維メーカーが今、こぞって自動車関連事業の強化に走っている。世界的な燃費・環境規制などを背景として、自動車分野に大きな商機があるからだ。車体の軽量化ニーズはその最たる例である。