不動産に影響の大きな変更点を押さえよう(写真はイメージ)(撮影:尾形文繁)

改正民法の不動産業界への影響について、まず押さえるべきは「任意規定」と「強行規定」の区別である。「任意規定」とは、当事者の合意があれば排除が可能になる法律の規定であり、「強行規定」とは逆に、当事者の合意があっても排除できない強制的な規定のことである。

実のところ、不動産の売買、賃貸借などにかかる民法の規定の多くは「任意規定」であって、「強行規定」は一部にすぎない。つまり多くの場合、当事者同士が契約を結べば、民法の規定と違うルールを任意に設定することができるのである。

もちろん、合意さえすればどんな契約でも有効になるわけではない。個人向け不動産取引では、事業者は民法以外の法律にも縛られる。消費者契約法によって、相手方が消費者である場合は、民法の規定に比べ消費者の利益を一方的に害する契約条項は原則無効となる。また宅地建物取引業法により、売り主が宅建業者であり買い主が個人である場合は、民法の規定に比べて買い主に不利な契約条項を売り主の担保責任に関して結ぶと原則無効となる。

以上を踏まえれば、民法改正に不動産業関係者がどう対応するべきかは、次のように整理できよう。それが強行規定であれば、その対応方策をどうするかを検討する。任意規定であれば、そのルールに従う。または改正法とは異なる契約条項をつける、その場合どのような契約条項にするのかを検討するのである。以下、売買と賃貸借に分けて重要な変更と対応のポイントを解説する。