ふくだ・みちお●1946年生まれ。69年同志社大学卒業後、衣料メーカーを経て71年家業の福田屋洋服店入社。93年社長。2015年から現職。(撮影:今 祥雄)

既存のショッピングセンター(SC)を取り巻く環境は厳しい。SCは今、商業施設として変わらなければいけない瀬戸際にあると感じている。

大型化が進み、店を見て回るだけで客は疲れてしまう。そこに「タイムセールだ」「夏のクリアランスだ」と、セールを乱発している。SCのデベロッパーには、戦略としてではなくセールを行うこと自体が目的になっているようだ。

デベロッパーの経営者の多くは、セールをやっても以前ほどの効果がないことをすでに知っている。値引き前の価格を否定することは、テナントの首を絞める。衣料をダメにしたのはSCかもしれない。今の売り場数を維持できなくなる衣料テナントが今後続出するだろう。パワーのあるところだけが生き残っていく。

「H&M」など海外のファストファッションが、SCへの出店を加速した。彼らがやったことは価格破壊。デベロッパーは彼らを優遇して好立地を用意したケースもあった。そのため、日本の衣料テナントが低価格競争についていけなくなって疲弊した。

商社依存が招いた同質化

どのSCに行っても似たような商品が並んでいることも問題だ。企画の段階から商社の協力を仰ぎ、商社とつながりのある工場で洋服を大量生産し、似たような商品を店頭に並べている。

発注元が違っても、結局同じ工場で作っている。その結果、商品の同質化が起きた。差別化できなくなり、価格の勝負になり、低価格競争が激化した。