米国政府の法定債務上限の問題がクローズアップされてきている。政府機関の閉鎖や米国債のデフォルト(債務不履行)につながりかねず、8月後半以降の国際金融市場のリスク要因になりそうだ。

米国政府の債務は法律で上限が定められており、それに達すると新たな借り入れや国債発行ができなくなる。過去には債務水準が上限に近づくたび、議会は上限引き上げの法律を成立させてきた。だが、共和党と民主党の対立で法の成立が遅れ、債務上限に達し政府機関の一部が閉鎖を余儀なくされる事態が、95~96年、2013年に起きている。

16年の大統領選挙中の混乱を回避するため、15年11月には債務上限の適用一時停止を決定。それが解除され、再び上限の制約に直面したのが今年3月だった。

停止中に上限を突破した債務増加分は許容されるため、新たな上限は19.8兆ドル(約2178兆円)と停止前より1.7兆ドル(約187兆円)増えた。ただ、債務はすでに上限ぎりぎり。米財務省は社会保障(年金)基金の非市場性国債での新規運用停止や国債買い戻しなどの弥縫(びほう)策で上限到達を回避してきたが、万策尽きた格好だ。

7月28日、ムニューシン米財務長官は9月29日までに債務上限を引き上げる必要があると議会に通告。米ゴールドマン・サックスの試算では、10月2~3日に上限に到達する見通しだ。