8月上旬、千葉県西部にあるショッピングセンター(SC)。夏休みの時期は、通常なら多くの客でにぎわっていておかしくない。しかし、現実は閑散としていた。イベントスペースでの音楽ライブを聴く客は、子ども2人を含め10人ほど。約100人が座れる席はあまりに寂しげだった。

施設内の案内板によると、7月28日〜8月6日までセールを開催中とのこと。セールの真っ最中の金曜夕方にもかかわらず、ひっそりとしていた。翌週、再度訪れてみると、終わったはずのセールの垂れ幕はそのままだった。よく見ると、「セール」の文字の最後に「ファイナルオフ」の7文字が追加されている(上写真)。このSCをよく利用する20代女性によると、「ここはセールの後にファイナルオフセールをやることが多い」という。ただ、「ファイナルになっても、価格はさほど下がっていない。どうして2回に分けてセールを行うのかわからない」と首をかしげる。

「ファイナル(最後)」という名称は、買う気をあおる効果があるのかもしれない。しかし、それにそそられる客がどれくらいいるだろうか。「ここは、いつ来てもお客が少ない。私にとっては、ゆったり見られるからいいのですが」と前出の女性は明かす。

セールを頻繁に行うSCはここだけではない。このような現状に対して「SCはセールをやりすぎ。それが衣料テナントをダメにした」と指摘するのは、アダストリアの福田三千男会長兼CEO(最高経営責任者)だ。

アダストリアは、「グローバルワーク」や「ローリーズファーム」といった、主に女性向け衣料のテナントを全国のSCに出店している。SCテナント数の多さでは、ファーストリテイリングなどと並んで五指に入る大手だ。

SCとは、テナントショップやサービス施設の集合体で、イオンモールなどのデベロッパーが、計画から運営まで行っている。具体的には、郊外モールやアウトレットモール、駅ビルなどを指す。