フレームレート 【frame rate】

1秒当たりに表示できるフレーム=静止画の数。iPhone 7のHDビデオは、最大60fps(フレーム毎秒)で撮影可能。VRで自然な映像を表示するには、90fpsが1つのハードルだ

昨年来、ソニーの「プレイステーションVR」や台湾HTCの「VIVE」など、VR(仮想現実)用ヘッドマウントディスプレー(HMD)が次々と登場している。HMDはフルHDテレビよりも高い解像度の液晶・有機ELのパネルを搭載し、ゲーム機やパソコン、スマートフォンから出力された映像を表示する。装着すると外部から完全に遮断されるため、ユーザーは映像に没入できる。つまりVRの本質は、ディスプレーの革新だ。

スマホやパソコンに代表される情報通信端末は、ディスプレーの大きさで使い方が制約されてきた。ディスプレーより大きいものは、リアルに見せることができないのだ。それがVRなら、ユーザーの周囲360度を映像にでき、表示領域は無限になる。VRは、何かを見せることに大きな空間を必要としてきたあらゆるビジネスを変える力を秘めているのだ。

たとえば独アウディは、CADデータから制作した車の映像を、HMDを使って顧客に見せる取り組みを始めている。車の外観を見るだけでなく、運転席に座ったり、内装やエンジンルームを詳細に確認できたりする。従来のショールームでは展示台数に限りがあったが、VRを使えば空間の制約がない。さらに、量産前の車も疑似体験できる。同様の取り組みはショールームや展示スペースを必要とするあらゆる産業に広がる可能性がある。空間=不動産の価値を揺るがしかねないのがVRという技術だ。