L字型の広い土間から多くの参拝客が一斉に出入りできる構造となっている

「国内旅行には行かないんですか?」とよく聞かれる。3日以上休みが確保できれば海外に行くと決めているが、勤め人だからそうそう休めない。そのため、近場の国内旅行になることもたびたびある。

2017年1月、静岡県富士宮のレストラン「ビオス」でイベントがあった。オーナーの松木一浩氏は、かつて恵比寿にあったフランス料理店「タイユヴァン・ロブション」で給仕長を務めた後、農家に転身。ビオスでは自家農園の野菜を楽しむことができる。

この日の晩に投宿したのが、山梨県早川町赤沢集落にあるゲストハウス大阪屋だった。

重伝建(じゅうでんけん)という言葉を耳にしたことがあるだろうか。正式には重要伝統的建造物群保存地区といい、歴史的な集落や古い街並みの保存に取り組んでいる地区を指す。世界文化遺産の白川郷や保存状態がよい宿場町の妻籠宿などが有名だが、全国で指定されている115地区の中には、赤沢集落のように、それほど知られていない所も多い。

赤沢は日蓮宗の総本山である身延山とその修験霊山の七面山に参拝する客の宿場として、江戸時代後半から戦前にかけて栄えた。最盛期の明治時代には38戸の集落に9軒の宿があったという。