「シリコンバレーで起こっていることは、率直に言ってよくわからない。だがわからないからといって遠ざけるんじゃなくて、出資して内側からわかろうじゃないか」

米シリコンバレー視察から戻ったヤマハ発動機の柳弘之社長は経営幹部を集めた場で、そう語った。現地に2015年7月、新事業開発のための子会社、ヤマハモーターベンチャーズ&ラボラトリーシリコンバレー(YMVSV)を設立する直前のことだ。

ヤマハは2輪車とマリン(ヨットなど)が収益源(図下)。ほかに電動アシスト自転車や産業機械、農薬散布用ドローンなども手掛けるが、太い事業柱にはなっていない。新会社は第三の柱につながる投資先や知見を求めて設立された。

シリコンバレーにCVC(事業会社によるベンチャーキャピタル)などの拠点を置く日本企業は決して珍しくない。その中にあってYMVSVは、スタートアップ企業のインナーサークルに最も溶け込んでいるという評価を得ている。