10年前の8月、パリバショックが起きた。サブプライムローンのデフォルトが原因で、2008年のリーマンショックにつらなる前哨戦の一つだ。

俗に「信用サイクルは10年」といわれる。1997〜98年、アジア通貨危機からロシア通貨危機に飛び火し、87年にはブラックマンデーがあった。

世界の民間債務は新興国を中心にリーマンショックの頃のレベルを超えて積み上がっており、いつ金融危機が起きてもおかしくない、との懸念がある。

一方で、サブプライム危機のように過度にリスクを取っている分野は見当たらない。株高にもかかわらず、長期金利は上がっていない。そのため「まだ大丈夫」と考える投資家も多い。

米国の長期金利はトランプ期待で2.6%台まで上昇したが、現在は反落し、なかなか上昇しない(下図)。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の石井純チーフ債券ストラテジストは、「先進国に共通することだが、期待潜在成長率、期待インフレ率、リスクプレミアムがいずれも下がっているため」と説明する。12年以降の1.5〜2.5%のボックス圏を石井氏は長期停滞論に引っかけ、「長期停滞レンジ」と呼ぶ。

だから、FRB(米国連邦準備制度理事会)が緩和から引き締めに転じるとはいえ、市場は政策金利の引き上げがゆっくりしたものになると見ているわけだ。