大手樹脂加工メーカーであると同時に、「セキスイハイム」などハウスメーカーとしても国内五指に入る積水化学工業。円安などの逆風下でも着実に業績を伸ばしてきた。この4月には2020年3月期に向けた中期経営計画を発表。大手が避けてきた低価格帯住宅への参入を表明し、業界に波紋が広がっている。髙下貞二社長にその真意を聞いた。

こうげ・ていじ●1976年同志社大学経済学部卒業、積水化学工業入社、住宅事業畑を歩む。2008年住宅カンパニープレジデント就任、14年CSR部長などを経て15年より現職。(撮影:梅谷秀司)

──4月に発表した中計の中で、戸建て住宅でボリュームゾーンとなる、2000万円台の戸建てに参入すると発表した。

新設住宅着工戸数は消費税増税の影響から立ち直り、ようやく97万戸まで回復してきた。だが、人口減や世帯数減、職人不足、空き家が増えているなどの現状から考えると、あと10年も経てば60万戸まで縮小する可能性もある。

現在、当社の事業分野は新築の持ち家と戸建て分譲だ。アパートはそれほど熱心にはやっていない。したがって、97万戸のうちの約42万戸がターゲットになる。

ただ、当社を含めて大手プレハブメーカーがしのぎを削っているのは、そのうち2割の高価格帯商品で8万戸程度にすぎない。残りの8割は1次取得者向けの2000万円前後、土地が付いて3500万〜3600万円程度の商品が主流だ。このゾーンは仮に市場が縮小したとしても、20万戸程度は残るだろう。

つまり、ボリュームがあり続けることは確かだ。需要があるところに成長の源泉がある。そしてそこに大手のプレハブメーカーは入っていけていない。