みずほ総合研究所 上席主任エコノミスト
有田賢太郎

企業の活動は複雑化しています。(1)生産、(2)企業収益、(3)景況感、(4)設備投資など、多くの指標を見て動向をつかむ必要があります。

(1)生産を見る代表的な指標は、経済産業省の「鉱工業指数」です。日本の鉱業や製造業の生産・出荷・在庫、設備の稼働状況、生産能力などがわかります。翌月末に速報値が公表され、最新の状況を知ることができます。調査対象の範囲も広く、とても重要な指標です。

なお近年の製造業は海外への生産シフトが進んでいます。経産省が年1回公表する「海外事業活動基本調査」も見たほうがよいでしょう。製造業ではなくサービス業の活動状況を知るには、経産省の「第3次産業(サービス産業)活動指数」が有効です。

(2)企業収益の代表的な指標は、財務省の「法人企業統計」です。注目すべきは売上高と経常利益。経常利益とは、本業の儲けを示す営業利益に、財務活動による損益(支払利息や受取配当金など)を加えた利益のこと。企業が経常的に稼ぐ力の推移がわかります。

(3)企業が感じている景況感を知るのに最適なのは、日本銀行が民間企業約1万社にアンケート調査を行い、3カ月ごとに公表している「日銀短観」です。最も注目されるのは業況判断DI。「最近」と「先行き」があり、足元の状況と今後の見通しについての考え方がわかります。先行きは慎重になる傾向があり、数字が少々悪化していても、必ずしも先行きが暗いわけではありません。