日本総合研究所 副主任研究員
村瀬拓人

個人消費はGDPの約6割を占める、重要な経済活動です。代表的な指標は総務省の「家計調査」。財やサービスを買った側(需要側)からとらえたもので、各世帯が何にいくら使ったか細かくわかる調査です。

所得や住宅ローンの有無による支出の違いなども示されています。2人以上世帯の調査結果は翌月末に公表され、速報性が高く、注目度も高い指標です(単身世帯や総世帯は四半期ごとの公表)。

ところが、家計調査には重大な欠点があります。家計の支出を細部にわたって調べるので、サンプル数が限られるのです。日本の世帯数は5340万(2015年)ですが、家計調査の対象は2人以上の世帯で約8000、単身世帯で約700にすぎません。

サンプル数が少ないと、ある世帯がたまたま大きな買い物をした月に支出額が大きく増え、個人消費の全体像を歪めてしまう可能性があります。数カ月の調査結果を見て、トレンドを把握するのに使うとよいでしょう。

家計調査以外にも個人消費を示す指標は複数あります。総務省の「全国消費実態調査」は5年に1度の公表ですが、調査対象が約5万6000世帯と、家計調査より多くなっています。財を売った側(供給側)から見た経済産業省の「商業動態統計」もあります。