トヨタ自動車の「KIROBO mini」(右上)、VAIO Phone A(左上)、法人用で人気のVAIO S13(下)

独立からはや3年──。2014年7月にソニーから分離し、240名の小所帯となったVAIOは静かに再生を遂げていた。

現在は投資ファンドの日本産業パートナーズ傘下でVAIO株式会社として長野県安曇野市に本社を置き、国内市場に絞ってPCの製造・販売を行っている。ソニーはVAIO株を4.9%保有する株主であり、販売代理店としてVAIO商品をソニーストアで販売するなどの支援を行っている。

設立当初は苦労も多かった。「事業を本当に継続するのか」「アフターサービスの会社なんじゃないのか」という顧客からの問い合わせが相次いだ。「3年後の今でも気にされるお客様はいらっしゃるので、疑念払拭に努めている」(花里隆志執行役員)。

新生VAIOは法人顧客中心に販促を展開。「ソニー時代は一般消費者向けにデザインを重視してきた。薄さ・軽さが優先され、たとえばプロジェクター用の出力端子などビジネス用途では必要なスペックがないモデルも多かった」(花里氏)。展開地域が世界から日本に絞られたことで、現在は日本の法人顧客が求めるスペックを細かくくみ取り、法人向けスマートフォン「VAIO Phone Biz」とともに販売を伸ばしている。

ソニー時代の最終年度である13年度に4182億円あった売上高は、16年5月期には198億円まで縮小。一方、営業利益は同917億円の赤字から同1億8000万円の黒字に転換し、利益の出る体質に改善した。17年5月期も増益が続いているという(直近業績は非開示)。