バンドの近代建築のライトアップと、浦東の超高層ビルの両方を一望できる貴重な立地

旅の楽しみ方は百人百様。だが、さほど嗜好に差がないと思われるものもある。その筆頭が夜景の美しさだろう。

2016年年始、上海で最高の夜景を堪能することを旅の目的の一つに据えて現地に赴いた。上海の夜景といえば、浦東の超高層ビル群だ。外灘(バンド)から黄浦江越しに眺めるのが定番だが、バンドは14年の年末に圧死事件が起きるなど人口密度が高く、オチオチ夜景も眺められない環境だ。

バンドのレストランやバーから浦東を眺める方法もあるが、バンドのライトアップを見ることは難しい。浦東の高層ビルからはバンドを俯瞰できるが、今度は浦東の夜景が見られない。

日没前に窓際の席へ

だが、両方を同時に堪能できるバーが、バンドの北東に位置するホテルのハイアット オン ザ バンドにある。バンドから外白渡橋を渡り、浦江飯店前を通る。1989年7月、大阪から客船「鑑真号」で上海港に降り立った後、バックパックを担いでこの宿にあった30元のドミトリーを目指した光景がよみがえる。まだ人民服姿の人々や自転車の集団が健在だった……。

ハイアット オン ザ バンドのヴュー・バーは32階にある。日没直前の17時に入店し、先着順で選べる窓側の席を確保した。やがてマジックアワー(日没後の薄明の時間帯)が過ぎ、18時30分、バンドの近代建築が一斉にライトアップされる。

昼の眺めと夜景の両方を存分に堪能し、チケット代(ワンドリンク込み)は100元(約1670円)。ちなみに浦東の上海タワーの展望台は飲み物もいすもなく、180元(約3010円)だ。