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万科集団の王石董事長去る 勝者なき買収戦の結末

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2年もの間続いた中国の不動産開発最大手・万科集団の株式争奪戦に決着がついた。敵対的買収を阻止した創業者の王石董事長は経営を退く。

王石(写真左)は右腕だった郁亮(同右)に経営を引き渡した。写真は香港H株市場へ上場時のもの(ロイター/アフロ)

6月30日、例年どおりウェブサイトで生中継された不動産最大手・万科集団の株主総会では、例年以上に議長を務める王石董事長(=会長)の言動に注目が集まった。その1週間前に、王石は微信(中国版SNS)で万科からの引退を宣言していたからだ。

2時間以上の総会が閉会した際に、王石は株主総会の参加者に「記念撮影をしたい方は前へどうぞ」と呼びかけるなど、相変わらずの映画スター気取りだったが、往時の高揚感はなかった。それもそのはずだ。万科をめぐる敵対的買収劇が長らく繰り広げられ万科の経営は混乱。王石の疲れ切った表情には企業家の王者としての面影はなく、傷だらけのライオンキングのようにも見えた。

万科に買収を仕掛けたのは同じ深セン市に拠点を置く宝能投資集団だ。2015年7月、それまで無名だった宝能は大量保有報告制度により突如、万科の株式5%を保有していることを明らかにした。これに対し、王石は「(民間企業である)宝能の信用力は低く、株主として歓迎しない」と反撃した。

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