誰がどこでどんな買い物をしたかなど、膨大なデータを蓄積できるようになった昨今。ビジネスパーソンには、データに基づく分析スキルが不可欠となっている。経営戦略の立案や市場調査など、さまざまな場面で分析力が求められる。

民間企業だけではない。政府や自治体も「証拠に基づく政策立案(Evidence-Based Policy Making:EBPM)」の重要性を認識。今後10年以上に及ぶ統計の大改革に動きだしている。政府統計は、民間企業の多くも利用する。統計改革の行方はビジネスパーソンの仕事にも影響を及ぼす。政府の統計改革推進会議は、今年2月に議論を始め、5月に最終取りまとめを公表した。冒頭に掲げられたのがEBPMの推進だ。

EBPMは、海外ではすでに定着しつつある。たとえば、どのような教員の配置や学級規模が学力の向上に効果的か、といった実証研究が蓄積され、その結果が教育政策に反映されている。

日本でも財政が逼迫する中、医療や教育などの分野を中心に、効果的な予算配分が求められている。これまでは「統計や業務データなどが十分には活用されず、往々にしてエピソード・ベース(たまたま見聞きしたことや限られた経験)での政策立案が行われているとの指摘がされてきた」(統計改革推進会議)。

同会議の委員を務めた伊藤元重・学習院大学教授は「統計の作成は、各省庁の業務の中で付随的なものとされてきた。今後は政策立案との連携を強めていく必要がある」と指摘する。

そうなると、政策立案の根拠となる統計データは、経済や社会の実態を表したものでなければならない。だが実際は調査の手法や対象に制約があり、実態を正確に把握できていないことも多い。

従来手法で測りにくい デジタル時代の経済