7月6日、日本とEU(欧州連合)はEPA(経済連携協定)で“大枠合意”に達した。

2013年4月に開始した日欧EPA交渉では、チーズや小麦など農産物をめぐり厳しい意見の対立があった。多くの課題を積み残したまま、にわかに大枠合意にこぎ着けたのは、保護主義への対抗という政治的な意味合いが強い。

日本は18年までにFTA(自由貿易協定)のカバー率70%を目指していたが、トランプ大統領が米国のTPP(環太平洋経済連携協定)離脱を表明したため、通商政策の再構築を迫られている。米国のTPP離脱でカバー率は15ポイント強のマイナスとなるが、EUとのEPAが実現すれば11ポイント弱を穴埋めできる。

一方のEU側には英国の離脱で揺らぐ存在意義を立て直す狙いがある。米国のパリ協定離脱もあって、価値観を共有するパートナーシップを日本に求めたという側面もある。欧州委員会のジャン=クロード・ユンケル委員長は「われわれが関与するかぎり保護主義は守られない」と表明した。

EUは人口5億人、域内GDP(国内総生産)は16.4兆ドルの大市場。日本の輸出先では米国・中国に次ぐ3位(11.4%、16年、以下同)、輸入先では米国に次ぐ2位(12.3%)だ。

EUからの輸入品は食料品と医薬品、輸出品は自動車関連が中心だ。日本政府はまだ経済的影響の試算を公表していない。