6月下旬の東京・新宿。高層ビルの一室に20〜50代の男女約20人が吸い込まれていった。彼らの目当てはIFA(独立系金融アドバイザー)企業2社が共催するセミナー。3時間に及んだ資産運用に関する説明に参加者は耳を傾けた。

このイベントを協賛したのがインターネット証券大手の楽天証券だ。同社は2008年からIFAとの連携を進めてきた。

ネット証券最大手のSBIホールディングスも、IFAとの協業強化に本腰を入れ始めた。同社は2月に「社員IFA」制度を導入。将来的に3000人まで拡大させる考えだ。

IFAは中立の立場から顧客に資産運用のアドバイスを提供し、業務委託契約を結ぶ金融機関の金融商品の売買を仲介する。米国では、投資信託販売の3割がIFA経由になっている。

ネット証券大手がIFAとの連携に力を入れ始めた背景の一つは、既存顧客による取引高の伸び悩みだ。ネット証券業界は対面証券会社より安い手数料を武器に、個人の株式等委託売買代金でシェア9割を占めるまで成長した。ただ足元では株式市場のボラティリティ(変動幅)低下を受け、売買代金シェア、預かり資産とも頭打ちとなっている。

そこで、対面証券の主要顧客である富裕層に目をつけた。多額の金融資産を持ち、自分の判断だけでネットを通じて売買するのは不安だと感じる層に、IFAを対面の相談窓口として活用してもらうのが狙いだ。