ボッシュは道路上を色分けするAIなどの技術開発を急ぐ

「これは最も野心的なプロジェクトの一つだ」

自動車部品で世界最大手の独ボッシュは、「メルセデス・ベンツ」を展開する独ダイムラーと提携し、2020年代初頭までに市街地での完全自動運転の実現を目指す。ボッシュのモビリティソリューションズ統括部門長、ロルフ・ブーランダー氏は7月上旬、ドイツに集まった報道陣に対し自動運転への強い自信を示した。

ボッシュとダイムラーが共同開発するのは、ドライバーによる操作が不要な「レベル4」と、人間が乗車しなくても自律走行できる「レベル5」の完全自動運転車。ダイムラーが車両を開発、ボッシュがセンサーやコントロールユニットなどの部品を提供する。

独アウディは、世界で初めて一定条件の下で自動運転できる「レベル3」の高級車「A8」を7月中旬に発表。ドイツ勢を中心に、自動運転競争がいよいよ本格化してきた。そこで存在感が増すのが、高度なセンサーや画像認識技術などを持つ部品メーカーだ。

今回ボッシュは、自動運転の試作車を公開。米テスラの電気自動車をベースにしたレベル3の車だ。ハンドル上にあるボタンを数秒押すと、運転制御の主体が人間から車両に交代する。

公開した自動運転の試作車

自動運転中、車の周囲360度の状況を認識するのが、ミリ波レーダーやステレオビデオカメラ、そしてレーザー光を使ったライダー(レーザースキャナー)といったセンサーだ。得意のレーダーやカメラに加え、今年2月にライダー技術を持つベンチャーへ出資したことで、自動運転に欠かせない主要センサーすべての自社開発が可能になった。

「自動運転の分野は、個別部品の供給だけでは意味がない。すべてを一つのシステムにまとめ上げるノウハウを持つ者が勝つ。ボッシュにはそれがある」。ドライバーアシスタンス部門シニアバイスプレジデントのシュテファン・シュタース氏はそう断言する。