ライセンスを取れば、実験機器は自由に使える。子ども扱いしない教育方針だ(撮影:大澤 誠)

横浜市の肝いりで科学者育成を目指す

「テニス部に所属しているので、日焼け止めの効果がある物質を調べています。先輩の研究で、お茶とおコメを組み合わせることでカテキンの量が増えるという結果が出ていました。この研究を発展させたいのですが、どうしたらいいでしょうか」

「組み合わせたら増えました、では面白くない。植物は紫外線に対抗するためにカテキンを蓄える。紫外線量が多い所はどこなのか、という視点で考えると、何か見えてくるかもしれないね」

これは横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校(横浜SF高)の授業中の一コマだ。生徒の相談に乗っているのは、高校の教員ではない。横浜国立大学の名誉教授で動物学が専門の種田保穂氏だ。

同校では種田氏のような大学や研究機関、大手企業の研究者約60人が、「科学技術顧問」として講義や研究指導、実験指導を担当する。彼らを束ねるのが、東京大学名誉教授で理化学研究所研究顧問の和田昭允氏を筆頭とする、5人の「スーパーバイザー」である。