「娘が入学した頃に比べて教育熱心な保護者が増えたように感じる」。今年の春、都立白鷗高校・附属中学を卒業し、国立大学に入学した娘を持つ父親は、この6年の公立中高一貫校の変化についてそう語る。

公立中高一貫校は、学費無料で私立の中高一貫校並みの教育が受けられること、また、入学試験(適性検査)も作文の表現力や“地頭力”を問い、私立のような暗記力や難問への回答力を問う試験への準備をしなくてもいいということで人気が広がった。

1999年、岡山に公立中高一貫校が登場してから2000年代にかけて開設校は拡大。今年3月時点で198校になった。当初は受検倍率が高く、6~8倍は当たり前で、10倍以上という厳しい関門をくぐり抜けないと入学できない学校もあった。一般の公立中学に進む前に「宝くじのような挑戦」とお試し受検する子もいた。

近年、倍率は低下しており、学校数も微増傾向にとどまっているため、「公立中高一貫校ブームは落ち着いてきたのでは?」と見る向きもある。だが、実質的な競争は激化しているといっていい。

「ある程度の準備をしないと合格するのは難しい」と話すのは、公立中高一貫校対策の指導塾として定評がある「ena」を運営する学究社の池田清一専務だ。見込みがない受検生が減っているため、目指す子の平均の学力レベルは上がってきているという。

今年、東大に14人、京大に6人の合格者を出した小石川中等教育学校。進学塾関係者の間で話題となった(撮影:今井康一)

倍率低下でも難易度上昇、東大・京大合格者も増加