相次ぐ構造改革で業績の伸び悩みが続く、電子部品大手の京セラ。今年4月には技術畑を長く歩んだ谷本秀夫氏が社長に就任し、2020年度に売上高2兆円、営業利益2000億円を目標に掲げる。今後の戦略をどう描くか、谷本氏に聞いた。

たにもと・ひでお●1960年生まれ。1982年上智大学卒業後、京都セラミック(現・京セラ)入社。入社以来、一貫してファインセラミック部品に携わる。2017年4月から現職。(撮影:尾形文繁)

──新社長のミッションは?

2期連続の減収減益から何としても成長軌道に戻すことだ。携帯電話端末事業の構造改革が終了し、足元の市場環境も良好だ。好機が訪れており、積極投資を行う。

──これまで、売上高2兆円という目標の達成時期は明言してこなかった。

社員全体で目標を共有し、目線を定めたかった。各部門の成長戦略をまとめ上げ、2兆円に向けた全社レベルの経営計画を策定中だ。全社としてはおそらく初めての取り組みとなる。

──電子部品は足元の需要が非常に強い。

半導体製造装置向けがかつてないほど好調だ。データセンターにフラッシュメモリが使われるようになり、いくら造っても足りない。メモリメーカーからの要求に、製造装置側も部材側も応えられていない状況だ。

米国工場では4月から新棟が稼働を開始した。去年の受注水準なら対応できるはずだったが、今年度に入って要求はさらに高まっている。製造装置の全顧客が「来年も同様に高い水準で部品を購入する」と言っており、さらなる増産も検討せざるをえない状況だ。

──今後成長を担う分野は?

幅広く事業を手掛けるのが当社の特徴だ。不調な部門はほかの部門の好調で補い、リーマンショックの際にも赤字に陥らずに済んだ。一部だけ伸ばし、ほかはどうでもいい、という考え方ではない。

今後、カギとなるのは自動車だ。安全運転支援機能向けの通信機器やカメラは成長余力が大きい。だが、3〜4年で急拡大するか、ということは冷静に考える必要がある。中期計画の20年度という時期を考えると、半導体製造装置や通信インフラなど、すでに需要が強い市場を取り込むのが重要だ。