家族で世界放浪

「日本で抱いてしまう暗黙の"べき論"を崩す」
ノマドワーカー 佐藤邦彦さん(33)

さとう・くにひこ●早稲田大卒業後、リクルート入社。人材領域で営業やマネジメントを経験。海外事業開発、働き方改革を担い、2017年4月退職。
 

100年人生時代に重要となるのが、長い人生で何をしたいかというアイデンティティの明確化だ。「世界の価値観に触れ、働き方や家族のあり方を再定義したかった」。そう話すのが、脱サラし、家族での世界放浪に踏み切った佐藤邦彦さんだ。

もともとリクルートで企業の採用支援に携わっていた佐藤さんは、働く個人でなく、企業の視点で決まる雇用の仕組みに疑問を感じていた。そんな中、2つの出来事が転機となった。

1つは27歳のとき、子どもが生まれ、3カ月間の育休を取得したこと。仕事から完全に離れ、家族と過ごす日々。「それまで夜中までの残業も普通だったが、育休中に自分にとって何が大事かを考える習慣がついた」(佐藤さん)。復帰後は同じ会社に勤める妻と役割を整理し、家事や育児を積極的に担うようになった。

もう1つは、仕事でシェアリングエコノミーの新規事業開発に携わったこと。フリーランス、パラレルキャリアの人たちと接し、会社員の自分にはない自由な働き方に刺激を受けた。 

日本ではキャリアや働き方に暗黙の“べき論”があるが、それはおそらく壊れていく。今後、大事になるのが個人の価値観。妻と2人の子を連れて旅に出て、世界中の価値観を肌で感じよう──。そう思い今春、旅立った。

1年後は未知数