閣僚の失言や不祥事、当選2回組の問題行動などが、有権者の信頼失墜を招いた(時事)

7月2日投開票の東京都議選で、自民党は大敗した。都議会第一党維持が目標だったが、結果は史上最低の23議席に転落した。小池百合子知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」は49議席(追加公認を含め55)を獲得して第一党となり、公明党などを合わせた小池支持勢力で過半数の64を大きく上回った。

自民党退潮の最大の要因は、4年に及ぶ「1強」体制のおごりだろう。全国を対象とした共同通信の6月17〜18日実施の世論調査では、内閣支持率44.9%(前月比10.5ポイント減)、自民党支持率も34.3%(同8.5ポイント減)で、大幅下落となった。

中でも都議選終盤の6月27日に飛び出した稲田朋美防衛相の失言が大きく響いた。以前から迷走答弁などで政治リーダーとしての資質に疑いを持たれていたが、応援演説で自民党候補の名前を挙げて「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と述べ、批判の嵐にさらされた。

「今回はアウト」という声は強い。民進党だけでなく、「安倍晋三首相の友党」といわれる日本維新の会の松井一郎代表(大阪府知事)も、「辞任を」と明言した。

安倍首相は5月3日、憲法第9条に自衛隊を明記する改憲構想を打ち出したが、底流に「自衛隊容認は国民の共通認識」という意識があるのは間違いない。ところが、政治的中立性が必須条件の自衛隊を自民党候補の応援に駆り出すような言葉を口にしたため、首相最側近の担当大臣が首相の改憲構想に水をかける形となった。