ワシントンでの米中外交・安全保障対話。ティラーソン国務長官や楊潔チ国務委員らが会談した(ZUMA Press/アフロ)

今年6月21日、初の米中「外交・安全保障対話」が開催された。同「対話」は、4月に、米フロリダ州で行われた米中首脳会談において設置が合意された四つの閣僚級対話の一つである。

オバマ政権時代には、年1回開かれる包括的協議の「戦略・経済対話」があったが、トランプ政権は項目別の交渉に変更した。

今回の「対話」で議論された第1の課題は、やはり、北朝鮮の核弾頭・ICBM(大陸間弾道ミサイル)開発である。しかし、「対話」において、米中の主張の溝が埋まらなかったことは明らかだ。「対話」後の記者会見に中国は姿を見せなかった。

中国は、交渉内容に不満を持ち、報道陣の質問にも答えず国務省を去ったのだ。米国が期待する共同声明も出なかった。

中国が不満を抱いたのは、自分たちの提案した「双停」を否定され、米国がさらなる圧力の強化を求めたからだ。双停とは、北朝鮮に核開発を停止させ、米国も軍事演習等の軍事的圧力を停止する、というものである。

だが、北朝鮮に17カ月間拘束され、意識不明の状態で帰国した大学生が死亡したばかりの米国には、国民の憤りもあり、圧力を緩めるオプションはなかったのだ。