有料会員限定

サラ金より「ヤバい」銀行カードローン »»Part1 気がついたらもう借金苦だった

✎ 1〜 ✎ 16 ✎ 17 ✎ 18 ✎ 19
拡大
縮小

過剰融資、多重債務の新たな温床に

特集「新 借金地獄」の他の記事を読む

今年62歳になる東京・世田谷区在住の山口明子さん(仮名)はその日、わらにもすがる思いで三菱東京UFJ銀行の支店に足を踏み入れた。

まさかこの大銀行が、消費者金融2社からの借金で破綻寸前の自分にカネを貸すとは到底思えなかった。しかし3月23日の時点で、アコムとプロミスからの今月分の返済期日が8日後に迫っており、ほかに手立てはなかった。

返済資金を工面するべく、別の消費者金融にも掛け合ったものの、融資は下りなかった。2年前に勤め先を定年退職してからも契約社員として働くことはできていたが、月収は8万円に激減していた。貸金業法上、消費者金融では年収3分の1超は借りられない「総量規制」という規則がある。山口さんは消費者金融2社からすでに200万円を借りていた。

「三菱東京UFJ銀行のカードローンはダメ元でした」と山口さんは振り返る。だが銀行は即日で限度額20万円、年利14%での融資を決めた。

その日行ったことといえば、小さな無人のブースの中で個人情報を記入し、免許証のコピーを送り、希望する融資額を伝えたことぐらいである。収入証明書の提出も不要だった。1時間ほどで「審査を通りました」との回答とともに、ブースの自動出し入れ口からカードローン用のカードが押し出され、こう説明された。「すぐにご利用いただけます」。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
新 借金地獄
解決策があることも・・・
人気借金相談サイト管理人が教える
法律家は見た!
オレと借金(2) 元関脇 貴闘力・鎌苅忠茂
»»Part2 借金に押し潰されない生き方
オレと借金(1) 作家・西村賢太
予想外の収入減で苦境に
10代女子がこっそり服を大人買い
生きる手段はこれだけ その現実が苦しい
追い詰められた若者たちをどう救う(2)
追い詰められた若者たちをどう救う(1)
学生街・高田馬場で学生ローンが復調
"親バレ"せずに無担保融資の誘惑
日本学生支援機構の関係者が語る独法化以降
制度の概要と注意点は?
返したくても返せない
貸金業協会会長の発言が波紋広げる
»»Part1 気がついたらもう借金苦だった
普通の日本人でもいつの間にか借金苦に
新・借金地獄
銀行カードローン、奨学金、住宅ローン…
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内