今年62歳になる東京・世田谷区在住の山口明子さん(仮名)はその日、わらにもすがる思いで三菱東京UFJ銀行の支店に足を踏み入れた。

まさかこの大銀行が、消費者金融2社からの借金で破綻寸前の自分にカネを貸すとは到底思えなかった。しかし3月23日の時点で、アコムとプロミスからの今月分の返済期日が8日後に迫っており、ほかに手立てはなかった。

返済資金を工面するべく、別の消費者金融にも掛け合ったものの、融資は下りなかった。2年前に勤め先を定年退職してからも契約社員として働くことはできていたが、月収は8万円に激減していた。貸金業法上、消費者金融では年収3分の1超は借りられない「総量規制」という規則がある。山口さんは消費者金融2社からすでに200万円を借りていた。

「三菱東京UFJ銀行のカードローンはダメ元でした」と山口さんは振り返る。だが銀行は即日で限度額20万円、年利14%での融資を決めた。

その日行ったことといえば、小さな無人のブースの中で個人情報を記入し、免許証のコピーを送り、希望する融資額を伝えたことぐらいである。収入証明書の提出も不要だった。1時間ほどで「審査を通りました」との回答とともに、ブースの自動出し入れ口からカードローン用のカードが押し出され、こう説明された。「すぐにご利用いただけます」。