「難しいですね。このままだと競売です」。昨年末、住宅ローンの返済に行き詰まり、不動産会社に相談を持ちかけた高橋茂さん(仮名、61)。返ってきた言葉に目の前が真っ暗になった。

関東に住む高橋さんは40歳になる頃、約5000万円(固定金利3%、返済期間35年)のローンを組みマンションを購入した。月々の支払いは約12万円。加えて年に2回、ボーナス払いとして約36万円を返済することになっていた。

当時、名の通った会社に正社員として勤めていた高橋さんの年収は約700万円。「何とかやれる」と思っていた。ところが50歳を目前にして、会社の業績が悪化しリストラの対象に。職探しは難航し、次に就いたのは非正規の仕事だった。年収は300万~350万円へと半減し、月々の支払いが重くのしかかった。

貯金を取り崩しながら返済を続け、苦しいときには消費者金融から借りた。多いときには借り入れが150万円にまで膨らんだ。それでも徐々に月々の支払いにも支障を来し、遅延利息を払いながら何とか返済していたものの、昨年末、とうとうボーナス払いができなくなった。

金融機関からは督促状が届いていたが、ついに「このままだと競売になる」という警告が届いた。急いで近くの不動産会社に出向いて相談したが、返ってきたのは冒頭の言葉だった。「暗礁に乗り上げた」と高橋さんは思った。

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