六本木ヒルズをはじめ、都心で多数の地権者をまとめた大規模再開発を手掛ける森ビル。4月に開業した銀座の商業施設「GINZA SIX」の開発事業者に名を連ね、虎ノ門では超高層ビルが建つ複数の再開発を進める。

人口減少が進む日本で、オフィスや訪日観光客の需要をどう取り込むのか。辻慎吾社長に今後の戦略を聞いた。

つじ・しんご●1985年3月横浜国立大学大学院工学研究科修了、森ビル入社。2001年タウンマネジメント準備室担当部長、06年取締役、09年取締役副社長を経て、11年6月から現職。(撮影:今井康一)

──「GINZA SIX」の開業は大きな注目を集めた。

国家プロジェクトに近い位置づけで造ってきた。単なる商業施設ではなく、観光案内所やバスターミナル、能楽堂、草間彌生さんのアート、屋上ガーデンもある。いろいろな都市機能を複合した施設だ。

銀座は世界中から人が集まる場所だが、街がワンランク進化するには、核となるものが必要だ。今回のプロジェクトは銀座をさらに発展させる起爆剤にしていきたい。

──虎ノ門周辺では複数の大規模再開発を進めている。

虎ノ門はホテルや住宅、さまざまな発表ができるコンファレンスの場もあり、外資系企業にとって魅力的な場所だ。海外のビジネスパーソンは家族と一緒に日本に仕事に来ることも多い。住宅や文化施設、ホテルも必要だ。

だから当社の場合、本当はオフィスを建てるような場所に住宅を建てる。虎ノ門ヒルズは一棟すべてがオフィスでも十分成り立つが、あえてホテルや住宅を入れた。麻布台の開発も、大きな敷地の中にメインタワーと住宅を造り、地上部分は緑地で覆う。あっと驚くような開発になるだろう。

一つの地域を再開発するには何百人もの地権者との交渉があり、10年、15年の時間がかかる。ただ当社は都市づくりをしたいという思いが強い。ビルを買って転売し、キャピタルゲインを得るようなビジネスをやるつもりはない。