権勢を誇ってきた安倍官邸もそろそろ賞味期限切れか(AFP=時事)

通常国会が閉会し、都議選へと向かう中、政権の基盤が急速に揺らいでいる。内閣支持率の急落が直接的な原因だが、その背景には森友学園・加計学園の問題がある。安倍晋三首相は政権発足時から繰り返し「国民の支持は一瞬にして失われる」と述べてきた。どうやらその時期が迫ってきたかのようである。

もっとも、内閣支持率がかつての民主党政権時代のように、一気に30%を切るような事態は起こりにくいだろう。内閣支持率の急落が、ある段階で落ち着くであろうことは現政権も見越している。だからこそ、安倍首相は閉会後の記者会見で、新しく「人づくり」の有識者会議を立ち上げることを宣言し、雰囲気を変えることを目指そうとしているのである。

しかしながら、問題はそう簡単ではない。長期的視点から見れば、この通常国会では、これまでの政権の運営とは明らかに異なる課題が姿を現したからである。

安保国会時と様子異なる

そもそも今回の支持率の急落は、かつて安保法制の国会審議後に起きた急落とは、質的に異なる。安保法制は新規の立法であった。集団的自衛権を認める憲法解釈の変更という新しい措置をとったうえでの立法への反対は、将来のリスクへのおそれから生まれていた。

これに対して、森友・加計学園の問題は、政権の実績となる政策決定の正当性が疑われている。いずれも、安倍首相夫人、首相と官房副長官といった政権の中枢と個人的に親しい民間業者に便宜が図られ、さまざまな形で公金を通じた支援が図られていることに対する疑念が持たれている。とりわけ加計学園は、政権の目玉となる政策であった国家戦略特区制度が、そうした不当な運用の下に置かれているのではないかという強い疑念を巻き起こした。

つまり、この問題を通じて、人々は初めて安倍政権の政策の実績に深刻な疑念を持つことになった。発足4年半が経ち、政権が次々と繰り出す新規の政策に目をくらまされることなく、これまでの実績を一つひとつ検証するという動きがここに生じたのである。