官僚の表現法として興味深いのは、加計学園の獣医学部設置に関連して文部科学省が作成した文書群(以下、「加計文書」という)だ。加計文書の存在については、5月17日に朝日新聞がスクープした。

「加計文書」の存在

〈朝日新聞が入手した一連の文書には、「10/4」といった具体的な日付や、文科省や首相官邸の幹部の実名、「加計学園」という具体名が記されたものもある。加計学園による獣医学部計画の経緯を知る文科省関係者は取材に対し、いずれも昨年9~10月に文科省が作ったことを認めた。また、文書の内容は同省の一部の幹部らで共有されているという。

文書のうち、「獣医学部新設に係る内閣府からの伝達事項」という題名の文書には、「平成30年(2018年)4月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい」と記載。そのうえで「これは官邸の最高レベルが言っていること」と書かれている。また、別の「大臣ご指示事項」との文書には、冒頭に「内閣府に感触を確認してほしい」とあり、加計学園が求めている獣医学部の18年4月の開学について、松野博一文科相が「大学として教員確保や施設設備等の設置認可に必要な準備が整わないのではないか。平成31年(2019年)4月開学を目指した対応とすべきではないか」とし、18年の開学は難しいとする考えを示したことが記載されている。〉(5月17日「朝日新聞」朝刊)

これまで安倍晋三首相が関与していないと述べていたことを覆す内容の文書だ。政府は否定に躍起になった。5月17日の記者会見で菅義偉官房長官は、「怪文書みたいな文書じゃないか」と述べ、19日に松野文科相も「該当する文書の存在は確認できなかった」とする調査結果を発表した。

その後、極めて奇妙なことが起きた。22日に読売新聞朝刊が前川喜平氏(元文科事務次官)が新宿歌舞伎町の出会い系バーに通っていたことを報道した。25日に前川氏は会見を行い、出会い系バーに行ったことを認めたうえで「女性の貧困について、ある意味実地の視察調査の意味合いがあった」との奇妙な釈明をした。