カラニック氏はその発言などが問題視されてきた(右)。出前サービス「UberEATS」も展開している(左)(ロイター/アフロ)

超有望スタートアップ企業の混乱はトップの辞任にまで発展した。

6月20日、米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズの共同創業者でCEOを務めるトラビス・カラニック氏(40)が辞任した。取締役には留任する。

ウーバーは欧米や日本など、世界80カ国でサービスを展開する。2016年の取扱高は200億ドルに上り、売上高65億ドル、純損失28億ドル。企業価値は680億ドルともいわれ、未上場で時価総額が10億ドルを超える「ユニコーン企業」の中でも最大の企業だ。

CEOの辞任は株式上場がいつになるか注目されていたさなかの出来事だった。同社で何が起こっているのか。

セクハラ、暴言の「文化」

ここ最近のウーバーは問題続きだった。地元サンフランシスコでは、自動運転車の実験に関する免許を取得していないとされカリフォルニア州当局と衝突。また、自動運転車の技術情報を盗んだとして、米グーグルの兄弟会社「ウェイモ」に訴えられている。

極め付きは、社内のセクハラ問題を放置したことだ。今年2月、元社員の女性エンジニアが「上司から度重なるセクハラを受けたが、その上司が優秀な人材だとして、会社側は対応しなかった」とブログで告発。これを契機に「ウーバーの企業体質や文化に問題がある」との声が上がっていた。

その文化の中心にいたのがカラニック氏だ。同氏もウーバーの運転手に対して暴言を吐く動画が報道され、大きな批判を受けていた。6月にはいったん無期限休職という形で事態の収拾を試みたが、既存株主からの50項目にも及ぶ要求の前に、辞任を決めた。

[図表1]
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