ナイトタイムエコノミーすなわち「夜の経済活動」は、観光振興、地域活性、経済成長の最終戦略になるという。

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──ナイトタイムエコノミーとは聞き慣れない言葉ですが。

昼間に行われる一般的な経済活動に対し、日が落ちて以降、すなわち夜から翌朝までの間に行われる経済活動の総称だ。ナイトタイムエコノミーはこれまで日本で必ずしも社会から正当な評価を受けてこなかったが、やっと経済のキーワードとして扱えるタイミングになってきた。

──国政レベルで推進議員連盟ができましたね。

4月末に「時間市場創出(ナイトタイムエコノミー)推進議員連盟」の設立総会が開催された。それ以前には、新経済連盟の観光政策の提言にもナイトタイムエコノミーの振興という表現が使われている。これまで消費の場として重要視されてこなかった夜の時間帯を開放することで、消費機会を増やし、国および地域の経済活性化につなげようとしている。

ハロウィーンブームの経済波及力が実証

──事例の一つとして冒頭でハロウィーンブームに注目しています。

ここ数年、一気に盛り上がりだしたハロウィーンはわかりやすいナイトタイムエコノミーの姿ではないか。毎年10月31日のハロウィーンは、今や全国各地でメジャーな季節イベントになっている。若人たちが集まってパーティをしたり仮装パレードをしたり。日本記念日協会の推計では、経済効果は「バレンタインデー」を上回る1345億円に上っているという。

──川崎市の例が本に詳しい。

地元でエンターテインメント施設を経営しているチッタグループが主導して、ナイトタイムにつながるムーブメントを起こし、昨年は10万人が集まった。

──川崎市はモデルケースになりますか。

企画の中核を担う企業グループは川崎市でもともと社会評価の高い企業だ。ナイトタイムエコノミーの振興はとかくマイナス評価が先に立ってしまいがち。信用の部分を担保していくことが重要であり、振興を手掛ける主体に一定程度の評価がないと、広がらないし、政策の支援も得られない。有力企業が発起をした意味は大きい。