銀行の収益の柱は預貸業務だ。個人や企業から預金を集め、個人や企業にカネを貸し出す。その利ザヤが銀行の利益の源泉となる。しかし近年、この預貸業務が実質赤字の地方銀行がある。図表1は2017年3月期の地銀64行の実質預貸金利ザヤだ。7割超の46行が赤字に陥っている。

[図表1]
拡大する

預貸業務の収支は、単純化すると、収入である貸出利息から、支出である預金利息・経費・与信費用(貸し倒れに備えた引当金など)を引いたもの。これらを各行単体の貸借対照表と損益計算書の計上額などで算出したのが図表1だ(計算式は図注)。与信関係費用率を考慮した独自の試算なので、各行が開示する預貸金利ザヤとは異なる。

実質預貸金利ザヤが最も厚い地銀は、静岡県に本店を構えるスルガ銀行だ。利ザヤは2.012%に達する。2位の琉球銀行(沖縄県)の利ザヤ0.243%の8倍を超える断トツの水準だ。

スルガ銀行はここ数年、毎期約2%の実質預貸金利ザヤをたたき出している。最大の要因は、個人向けにフォーカスし、高利回りの貸し出しを実現している点にある。スルガ銀行の資料によれば貸出金利回りは地銀平均1.30%に対し、同行3.56%と2%ポイント以上も高い。独自のデータベースを活用した顧客分析の効果だとしている。要はほかの地銀では貸し出さないような信用リスクの高い顧客に対して、独自の情報を基に貸し倒れの可能性を見極め、高い利回りで貸しているからとみられる。

アクセスランキング バックナンバー一覧 TOP