AI(人工知能)がついに将棋でも名人を破った。4〜5月の第2期電王戦では国産の将棋AI「ポナンザ」と佐藤天彦名人が対局、2局ともポナンザが勝利した。タイトル保持者を機械が退けるのは史上初だ。第1局でポナンザの打った「3八金」という定跡にない斬新な初手も話題を呼び、「機械が人間の知性を超えた」と騒がれた。

AI研究における近年最大の転換点は2012年。カナダ・トロント大学のチームがAIによる画像認識の国際大会でディープラーニングを使い、ケタ外れに高い精度をたたき出した年だ。今グーグルで「AI」と検索すると、日本語では20億件以上の結果がヒットする。この5年で約770倍に増えており、AIに対する関心の高まりを如実に反映している。

書店の店頭にも、関連書籍が増える一方だ。特に、AIが人間の知能を上回るシンギュラリティ(技術的特異点)や、そうした高度なAIと人間がどう労働市場で競うかなどをテーマとした社会評論的な本が、技術そのものには関心がない層にも幅広く読まれているようだ。

シンギュラリティにはまだピースが足りない