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沖縄県元知事・大田昌秀氏をしのぶ 戦争の実体験を平和の哲学へ昇華

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1990年より沖縄県知事を2期8年を務めたほか、沖縄国際平和研究所で基地問題の解決に取り組んだ(撮影:梅谷秀司)

6月12日、沖縄県知事や参議院議員を歴任した大田昌秀氏(琉球大学名誉教授)が逝去した。ちょうどこの日の朝、都内のホテルで懇談した琉球新報の幹部から「大田先生の調子がよくない」という話を聞いたので、見舞いに行く日程を調整していたところだった。

筆者は大田氏とは特別の縁がある。まず、大田氏は沖縄県久米島(那覇から西約100キロメートルに位置する離島)出身で、私の母(佐藤安枝、旧姓・上江洲)とは幼なじみだった。私は子どもの頃から「昌秀兄さんというすごい人がいる。小学校で成績と素行が優秀な児童を選んでいて、1等の賞品が当時、久米島ではめったに目にすることのない大学ノートだったけれど、昌秀兄さんはいつもノートを2冊もらっていた。昌秀兄さんは鉄血勤皇隊にとられて戦争でひどい目に遭った。お母さんの数倍も苦労している(母も14歳で軍属として第62師団・石部隊と行動を共にした)。戦後、一生懸命勉強して、今は琉球大学の先生になっている。お母さんは昌秀兄さんを尊敬している」という話を何度も聞かされた。

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