「共謀罪」を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法などが成立、通常国会が閉会した。政治の焦点は、7月2日投開票の東京都議選となる。国会会期末の政局は、加計学園をめぐる疑惑などで内閣支持率が急落。安倍晋三首相の「1強」といわれた構図に変化が生じている。

通常国会では、まず大阪府豊中市の国有地が森友学園に格安で払い下げられた事件が表面化。学園が開設を予定していた小学校の名誉園長を安倍首相の夫人、昭恵氏が務めていたことから疑惑が深まった。学園の理事長を務めていた籠池泰典氏が、安倍首相から100万円の寄付があったと証言。安倍首相は強く否定したが、波紋を広げた。国有地の売却を所管する財務省に首相への「忖度(そんたく)」があったのか。疑念は晴れていない。

続く加計学園疑惑。首相が「腹心の友」と呼ぶ加計孝太郎氏が理事長を務める加計学園が、政府の国家戦略特区構想の中で愛媛県今治市に獣医学部を開設する計画が認可された。選定の過程で、内閣府から文部科学省に、加計学園の獣医学部開設が「総理のご意向」だと伝える文書が文科省から流出。菅義偉官房長官は「怪文書」と切って捨てたが、文科省内の調査で、本物の文書だと判明した。国家戦略特区の名の下に、首相の盟友が優遇されていたのではないか。そうした疑念が深まっている。これまでも閣僚のスキャンダルや失言があったが、首相の判断で更迭し、危機を乗り越えてきた。しかし、森友、加計疑惑は、安倍首相本人が絡むという点で深刻である。

さらに一連の疑惑に対して政権側の見解を説明してきた菅官房長官が、「怪文書」発言を含め、記者会見でいら立った表情を見せるなど、「余裕を失ってきている」(官邸スタッフ)ことも、政権にとってダメージとなっている。

こうした逆風にもかかわらず、安倍首相は内閣支持率が高いことをあげて強気の姿勢を見せてきた。だが、ここにきて内閣支持率も低下。6月17〜18日実施の新聞各社の世論調査では、支持率が朝日41%(前月比マイナス6ポイント)、毎日36%(同マイナス10ポイント)、読売49%(同マイナス12ポイント)。世論の「安倍離れ」がうかがえる。