創業家一族の高田重久会長兼社長。法的整理で大株主としての責任を問われることになる(撮影:尾形文繁)

米国だけで11人の死亡事故を引き起こしたタカタ製エアバッグの異常破裂問題。タカタは6月27日の株主総会を前に、裁判所の管理下で債務の削減や再建計画を遂行する民事再生法の適用を申請する方向だ。負債総額は1兆円超を見込む。

外部専門家委員会が推薦するスポンサー候補である米自動車部品メーカー、キー・セイフティー・システムズは、タカタを新旧会社に分離させる方針だ。新会社がエアバッグやシートベルトの事業を買い取り、旧会社にリコールの債務を残す。これにより、集団訴訟やリコール拡大のリスクを新会社から切り離す。

リコールの対象となったインフレーター(エアバッグのガス発生装置)は世界中で約1億個。リコール費用は1.3兆円と推定されている(図表1)。だがタカタは、異常破裂の原因は究明中として、費用の一部を引き当てたのみ。自動車メーカー各社が大半を肩代わりしていた。今回、タカタが大半の責任を負うことで合意したとみられる。

[図表1]
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ホンダがタカタ製インフレーターに関して初めてリコールを実施してから10年弱。事態の解決への道のりは、混迷を極めた。

タカタの場合、銀行より自動車メーカーのほうが債権者としての影響力は大きい。5560億円という巨額費用を引き当てたホンダから、費用が数百億円にとどまるメーカーまで、国内外の10社以上が関与する。ただ、タカタへの求償やスポンサー選定の合意形成を主導するメーカーはなく、調整に時間を要した。