6月20日、緊急会見を開き、築地市場の豊洲移転方針を発表した小池百合子都知事

東京都議選の告示日を3日後に控えた6月20日、小池百合子東京都知事は緊急会見を開き、築地市場の豊洲移転を発表した。

「この場は知事としての会見だ。政党代表としての質問はご遠慮いただきたい」

事前にこうしたアナウンスが流れたが、小池知事としては都民ファーストの会代表としての気分も多分に入っていたに違いない。

この日のいでたちは、モスグリーンのジャケットに緑色の柄物のスカーフ。いつもの鮮やかな黄緑色の勝負服こそ避けたが、都民ファースト・カラーに近い。

「両取り」作戦

「築地は守る、豊洲は生かす」

小池知事が提唱した内容は、市場を豊洲に移したうえで、築地は売却せずに5年後をメドに市場機能を持つ食のテーマパークとして再開発するというもの。築地残留派に配慮しつつ、豊洲移転派をも取り込もうとする案だ。豊洲市場への早期移転を公約にする自民党にとっては、戦いにくくなりそうだ。

「東京の未来を語り続けるしかない。相手は変化球を投げてきた」

同日夜、都内で総決起大会を開いた自民党の川松真一朗都議は、そう述べてため息をついた。豊洲市場移転問題特別委員だった川松氏は、この問題について反小池知事の急先鋒といえる。

「そもそも築地の建て替え費用はどうするのか。市場会計では厳しいので、一般会計に手をつけざるをえなくなる」

川松氏は続ける。「築地の用地から遺跡が出てきたら、文化調査で工事が遅れる。さらに地下に大江戸線が走っているので、高い建物は建てられない」。