CSR活動の一環と会社は主張するが、はたして株主の理解を得られるのか

社会貢献と株主利益のバランスはどうあるべきなのか──。

大手スポーツ用品メーカーのゴールドウインは、前2017年3月期で最高経常利益の更新が4期連続となるなど業績は好調だ。そんな同社が6月28日に開催予定の定時株主総会に、興味深い議案を出している。

20億円分を35万円で譲渡

ゴールドウインは5月9日にスポーツの支援などを目的に、西田明男社長を理事長とする財団法人を設立。そこへ同社は35万株の自己株(議決権総数の2.95%)を、1株当たり1円で譲渡するのが、議案の中身だ(図表1。実際は信託銀行を間に挟む形を取る)。配当が財団の活動原資となる。

[図表1]
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発表当日の株価で計算すれば約20億円分の株式を35万円で譲渡することになる。有利発行に該当するので、株主総会での特別決議が必要だ。

ゴールドウインの自己株は3月末時点で1万株弱にすぎない。そこで、財団に譲渡する株式を、手持ちの現預金(3月末時点で87億円)の約3割を原資に、株式市場から総額26億円、40万株を限度に買い付ける。財団に譲渡する分を上回る株数を購入するので、希釈化は起こらない。

会社側は「長い時間はかかるが、スポーツマーケットの裾野拡大によってリターンを得られる。従来、当社が拠出してきたCSR(企業の社会的責任)活動費も軽減できる。キャッシュは2年ほどで元の水準に戻せる」と説明する。