現状は正規・非正規間の不合理な格差が蔓延(イラスト:門川洋子)

「正規と非正規の格差は大企業の問題。われわれのような中小企業にまで同様の対応を求められても、どうしたらいいのか」。香川県で介護サービスなどを行う総勢約50人の企業を経営する林哲也さんは、ため息を漏らす。

林さんの悩みの種は、6月9日に厚生労働省・労働政策審議会(労政審)の部会でまとめられた、同一労働同一賃金に関する法整備案だ。3月に政府の働き方改革実現会議が策定した「実行計画」を踏まえ、労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法の3法一括改正を見据えたものである。

狙いは、正社員と非正社員(有期雇用、パートタイム、派遣)の間にある「不合理な待遇差」の是正だ。

下図は、従業員1000人以上の企業における雇用形態別の時給額が年齢の推移とともにどう変化するかを示したものである。20代のうちは正規と非正規の間にそれほど大きな賃金の差はない。が、30代に入ると徐々に開きが拡大し始め、50代前半には2000円近い格差が生じている。

[図表1]

待遇差は賃金だけではない。食堂や更衣室といった福利厚生施設の利用、慶弔休暇、教育訓練などの面でも正規と非正規で扱いに差がある企業は少なくない。こうした正規と非正規の間に横たわるさまざまな待遇差について、不合理だと認められるものを是正していこうというのが、今回の同一労働同一賃金の基本にある考え方だ。