[記事のポイント]

(1) 試行錯誤しながら残業削減に取り組んでいる丸井、味の素、日本電産、コネクシオ、SCSK、富士通の事例を紹介する。

(2) ハードワークで知られた日本電産は永守重信会長が「2020年残業時間ゼロ」を宣言。業務効率化システム導入などで残業時間はすでに半減したという。

(3) システムエンジニアの残業問題にいち早く取り組んできたSCSK。残業代削減分を賞与に上乗せするなどの工夫で、残業20時間未満を実現した。

 

時短に踏み出した企業たち

残業削減と成果を両立させた先駆的な企業を紹介する。

丸井|店舗の月間残業時間たった48分!

「月間10時間あった店舗の残業時間が今では1時間を切っている。」丸井の取締役でマルイファミリー溝口店長の阿部和美氏は笑顔で話す。全国31の営業店の月間残業時間は平均わずか48分(2016年度)。しかも、残業は基本的に顧客への対応といった接客によるもののみだ。

溝口店長の阿部和美氏が働き方改革の旗振り役だ(撮影:梅谷秀司)

小売業界では営業時間に合わせて早番と遅番のシフトを組んで出勤し、長時間残業を強いられることもある。丸井も「10年以上前は早番が開店前に出社。帰りも一緒で、上司が残業していたら部下は帰れなかった」(阿部店長)。

転機は08年から本格化した働き方改革だ。溝口店では開店40分前から閉店後40分以内の出勤時間を10分単位で分けた、全員一律ではない勤務体系を導入した。区分は溝口店だけで28パターンにも及ぶ。労務管理の手間は増えたが、10分ずつでも残業を削減できるメリットが大きいという。

品出しや小規模なレイアウト変更も営業時間中に行うことで効率化を進めた。閉店後に行う大規模改装の際は出勤時間を遅くする。

営業時間中でも品出しや小規模なレイアウト変更などの業務を行っている(撮影:梅谷秀司)

溝口店2階の婦人靴・雑貨売り場の大矢髙裕リーダー(上写真左)は、「全員の残業時間を把握し、期中でつねにシフトの修正もかけている」と話す。各従業員の前日の残業時間をチェックし、残業が発生したら当月中にシフトを組み直す。日々管理することで月間残業時間を09年度から1時間以内に抑えることができている。