アマゾンが事業領域を一段と広げていくと、将来的に銀行もECの巨人をライバルとして見ざるをえなくなるだろう。

単なるECサイトとしてアマゾンをとらえている人たちは、この見方に違和感を持つかもしれない。だが、同社の財務内容とビジネスモデルを分析すると、金融事業進出の可能性を感じられるはずだ。

キャッシュフローの厳格な管理が武器に

アナリストから見たアマゾンとは、キャッシュフローをしっかりと管理し、高い成長を実現してきたテクノロジー企業である。売り上げが右肩上がりでも会計上の利益をあまり出さない企業として株式市場では有名だが、潤沢なキャッシュフローを事業拡大に向けた投資の原資にしてきた。

キャッシュフローを詳しく見ると、アマゾンはCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)を厳しく管理している企業だともいえる。CCCは、売上債権回転日数と棚卸資産回転日数を加え、買入債務回転日数を引いたもの。簡単に言えば、何日で商品やサービスを現金化しているかを見る指標で、日数が少なければ資金効率がよい。

たとえば、日本の民生電機メーカーであればCCCがプラス40~50日というのが一般的だ。一方、アマゾンの場合、その日数がマイナス30日から50日程度と極めて低い。