原子力発電所事故を機に経営危機に陥り、国有化された東京電力ホールディングスは、賠償・廃炉、福島復興への責任とともに、電力産業改革のフロントランナーとしての役割を担わされた。6月23日の株主総会を経て、新たに社長に就任する小早川智明取締役に、東電改革への問題意識、福島復興への決意について聞いた。

東京電力ホールディングス次期社長 小早川智明
こばやかわ・ともあき●1963年生まれ。東京工業大学卒業。東電の法人営業部マネージャー、神奈川支店営業部長、東京電力エナジーパートナー社長などを経て、6月23日東電ホールディングス社長就任予定。(撮影:尾形文繁)

──次期社長としての問題意識、着手すべき課題は。

組織の縦割り、閉塞感の打破に取り組みたい。この問題は、原子力のみならず社内のすべての組織が抱えている。私は法人営業部在籍時に、熱供給やNAS電池などのソリューション営業を経験した。そこではプロジェクト単位で技術陣と事務方が一つの混成チームを結成してお客様の課題の解決に取り組んだ。こうしたやり方は、縦割りの弊害を克服し、仕事を成功させるうえで役に立つと思う。

──営業一筋の経歴は、これまで東電の社長として例がない。53歳と若く、たくさんの年長者が社内にいる。改革を進めるうえでやりにくさはないか。

お客様や社会が必要としているものを、皆で協力していかに提供できるかが重要だ。それには年齢は関係ない。さはさりながら(年長者で)福島復興本社代表の石崎芳行副社長が築いてきたような地域の皆様との関係はきちんと受け継ぐ。